本を読みたいけれど、どんな本を選べばよいのか迷う──そんな経験は誰にでもあります。ベストセラーを追いかけるのも一つの方法ですが、それだけでは「自分に必要な一冊」に出会うことは難しいかもしれません。本当に心に響く本は、今の自分の状況や気分、抱えている悩みや興味関心と不思議に呼応するものです。本書では「目的別の読書」を提案します。例えば、仕事や学びに前向きになりたいなら実用書やビジネス書、自分を見つめ直したいときにはエッセイや哲学書、疲れを癒したいなら小説や詩集、といった具合です。また、選び方の工夫として「好きな著者から広げる」「気になる分野の入門書から試す」「偶然の出会いを楽しむ」など、具体的な方法も紹介。読書は「正解探し」ではなく「対話の積み重ね」であり、ページをめくるごとに新しい視点や心の安らぎが得られるものです。迷う気持ちこそが、良い読書体験の入口。本書はそんな読書の旅を後押しし、あなたにぴったりの一冊と出会うきっかけを提供します
2023年8月31日木曜日
グラビアアイドル 雛形あきこ★「性的アプローチ」だった…120kg超のダイエットに成功した女性が短期間でリバウンドしたワケとは 『ACEサバイバー ――子ども期の逆境に苦しむ人々』より #1
引き金は職場の年配男性からの「性的アプローチ」だった…120kg超のダイエットに成功した女性が短期間でリバウンドしたワケとは
『ACEサバイバー ――子ども期の逆境に苦しむ人々』より #1
子ども時代のトラウマ(心の傷)となりうる経験のことを指す「ACE(エース:Adverse Childhood Experiencesの頭字語)」という用語があります。たとえば、虐待やネグレクト、家族の精神疾患や依存症、近親者間暴力などに曝される体験のことなどです。
1990年代からアメリカで始まった研究によれば、経験したACEの種類が多い人ほど、後年、心臓病や糖尿病、薬物乱用、自殺念慮、失業や貧困などに苦しむ可能性が高くなるということでした。
ここでは、龍谷大学社会学部准教授の三谷はるよさんが、そんなACEの実態に迫った『ACEサバイバー ――子ども期の逆境に苦しむ人々』(ちくま新書)より一部を抜粋。最終的には寿命まで早めるというACEの影響について紹介する。(全2回の1回目/続きを読む)
◆◆◆
一人の医師のある「気づき」
ACE研究は、ある一人の医師の、臨床現場での「気づき」が出発点となりました。その医師とは、アメリカ・サンディエゴ(カリフォルニア州)に住む、ヴィンセント・J・フェリッティです。彼は、カイザー・パーマネンテというアメリカ最大の健康保険会社(医療機関も所有)の予防医学部門の主任でした。
1980年代初頭、フェリッティは自身の肥満専門クリニックで、カイザー・パーマネンテの肥満解消プログラムを進めていました。その参加者である若い女性が、120kgを超える減量に成功した一方で、短期間のうちに大幅なリバウンドを経験しました。
彼女いわく、職場の年配男性からの性的なアプローチが引き金となり、睡眠中の過食(睡眠関連食行動障害)が再発したというのです。フェリッティがさらに追究すると、10歳の時に祖父から性的虐待を受け、その頃から太り始めたことを打ち明けました。彼にとって、これは思いがけないことでした。
これをきっかけとしてフェリッティは、子ども期の性的虐待と肥満の関係を探るため、来院する患者286人に対して一人ずつ面談を行いました。その結果、驚くべきことに、55%の患者が子どもの頃に性的虐待を受けていたこと、その多数が他の虐待や家庭の深刻な機能不全も経験していたことが明らかとな
★性的虐待の被害を受けた人にとって太ることは、自分の身体に対する注目を避ける意味合いがありました。つまり、太ることはトラウマ体験に対する「無意識の解決策」となっていると考えられました。こうしてフェリッティは、誰もが見逃していたパターン――肥満の背景に子ども期の逆境体験がある、という重大な事実に気づいたのです。
1990年、フェリッティはこの「気づき」を、全米肥満学会で発表しました。しかし、聴衆からは猛反発を食らいました。一方で、この発表に保健社会福祉省の下部組織・CDC(米国疾病予防管理センター)に勤める疫学者が理解を示しました。この人の計らいでフェリッティはCDCで発表することになり、そこで働く疫学者、ロバート・アンダと出会います。アンダは長年、公衆衛生上の諸問題の根本的原因に関心を寄せていました。彼はまた、大規模なデータの分析にも長けていました。
こうして出会ったフェリッティとアンダ、すなわちカイザー・パーマネンテとCDCがタッグを組み、共同研究が行われることになりました。肥満だけでなく、あらゆる疾患に対して、子ども期の虐待・ネグレクト、関連する家庭のストレス要因が長期的に影響するかどうかを検証する大規模な疫学研究が実現することになったのです。
ADVERTISEMENT
1万7000人超が参加した初のACE調査
1995年から1997年にかけて、初めてのACE研究(CDC-Kaiser ACE Study)が実施されました。カイザー・パーマネンテの健康診断に訪れた2万6000人に対して調査協力を求めたところ、1万7000人を超える人々が協力の意思を示してくれました。
この人々を調査対象として、初めてのACE調査が実施されることになりました。
この時用いられた調査票に、ACE(子ども期の逆境体験)を捉える質問項目が含められました。表1-1が、そのACE項目の一覧です。
表1-1 CDC-Kaiser ACE Study で用いられたACE 項目
表1-1 CDC-Kaiser ACE Study で用いられたACE 項目
https://bunshun.jp/articles/-/65186?page=4 (コチラサイトから引用です)
前半5つは、18歳になるまでに受けた虐待・ネグレクトです。身体的・心理的(・性的)という、それぞれの側面からの被害が捉えられています。後半5つは、18歳になるまでの家庭における何らかの問題(家庭の機能不全)です。親と離れて暮らしていたか、母親へのDVがあったか、家族の依存症や精神疾患、服役があったかを捉えたものです。
調査対象者はこれらの質問項目に回答し、該当するものがあればそのカテゴリーは1とカウントされました。これらを合計したACEスコア(0~10)と、成人期の病気や問題行動との関係が検討されました。
そもそも調査対象者は、健康保険への加入者であり、大卒が75%、白人も75%でした。
つまり、ほとんどが教育水準の高い、中産階級の白人だったのです。ですから、フェリッティとアンダは当初、ACEスコアはかなり低くなると予想していました。
しかし、調査結果は意外なことに、参加者(1万7337人)のうち、約3分の2(64%)が1つ以上のACEを経験していました。ACEスコアが「1」の人は26%、「2」の人は16%、「3」の人は10%、「4以上」の人は13%と、予測よりも多くの人たちが複数の逆境を経験していたのです
★ACEが成人後の健康に与える影響とは?
この調査結果によって、さらに驚くべきことに、ACEと成人後の健康問題との明らかな関連が見いだされました。
フェリッティらが1998年に発表した論文では、9508人(有効回答率:71%)を対象に、7つのACE(身体的・心理的・性的虐待、母親への暴力、家族の薬物乱用・精神疾患・服役)が健康に与える影響が検討されています。結果の一部をまとめたものが、図1-1と図1-2です。
図1-1 ACE スコアごとの調整オッズ比
https://bunshun.jp/articles/-/65186?page=4 (コチラサイトから引用です)
ここで示される「オッズ比」とは、事象の「起こりやすさ」を2つのグループ間で比較した指標のことをいいます。
ADVERTISEMENT
1より大きい値であればあるほど、注目するグループのほうが比較対象とするグループに比べて、その事象が「起きやすい」ことを表します。
また、「調整オッズ比」とは、他の要因の影響を取り除いた場合のオッズ比をいいます。ここでは、年齢、性別、人種、学歴の影響が除去されたうえで、ACEが病気・健康リスク行動に与える直接的な影響が検討されています。
その結果、ACEが「4以上」の人は「0」の人に比べて、「虚血性心疾患」は2・2倍、「がん」は1・9倍、「脳卒中」は2・4倍、「慢性肺疾患」は3・9倍、「糖尿病」は1・6倍なりやすいという結果でした(図1-1)。高ACEスコアの人は、代表的な死因にもなりえるこれらの病気に罹りやすいということです。
また、ACEが「4以上」の人は「0」の人に比べて、「アルコール依存」は7・4倍、「薬物注射」は10・3倍、「50人以上の人との性交渉」は3・2倍起こりやすいという結果も得られました(図1-2)。高ACEスコアの人は、何かに対する依存傾向も生じやすいといえます。
図1-2 ACE スコアごとの調整オッズ比
https://bunshun.jp/articles/-/65186?page=4(コチラサイトから引用です)
メンタルヘルスに関しても、ACEが「4以上」の人は「0」の人に比べて、「うつ病」は4・6倍、「自殺未遂」は12・2倍起こりやすいというきわめて高い数値も得られています(図1-2)。高ACEスコアの人が、不安定なメンタル状態になりやすいことがわかります。
このように、ACEスコアが高いほど、成人期に疾病に罹りやすくなったり、健康に対してリスクとなる行動をとったり、精神状態を悪化させやすい傾向が見いだされました。
これを、ACEと不健康の「用量反応関係(dose-response relationship)」といいます。
このように、ACEへの曝露が健康に与える負の影響を検討するために用いられているアプローチは、「累積リスクモデル」と呼ばれます。ポイントは、特定のACEの「種類」ではなく、ACEに曝された「量」に焦点を当てている点です。この累積リスクモデルは、ACEへの曝露の量と不健康の間の関連(用量反応関係)を明らかにするうえで有用です。
また、逆境の重なり(共起)という観点から、誰が最もリスクに曝されているかを特定しようとするアプローチであるといえます。
★1998年に発表された先ほどの論文は、今や8700を超える研究論文に引用されています(Web of Science より)。従来、身体医学では成人患者の子ども時代に注目することがほとんどなかったため、フェリッティらの発見は医学界にとって大きな衝撃だったのでしょう。このACE研究によって、子ども期の過酷な逆境体験が成人後の健康に害悪をもたらすことが、広く知られるようになりました。
その後、つづく数多くの研究で、ACEが心身の疾患や健康リスク行動に影響することが証明されていきました。
たとえば、虚血性心疾患や脳卒中、肝疾患、肺がん、慢性閉そく性肺疾患、糖尿病、頻繁な頭痛、睡眠障害への影響が報告されています。
ADVERTISEMENT
また、早期の飲酒、アルコール依存、違法薬物の使用、喫煙、肥満、危険な性行為、10代の妊娠、うつ病、不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、自殺未遂に影響することもわかっています。
こうした膨大な研究知見を整理するレビュー論文も、これまでに複数発表されています。
その中の一つ、文献をレビューした最近の研究を紹介しましょう。この文献ではすべて、オリジナルのACE研究で用いられたACE項目が使用されています。この論文では、各研究のサンプルサイズを調整して算出した調整オッズ比が、健康に関するアウトカム(心身の健康状態や行動)それぞれについて示されています。
この結果をまとめたのが表1-2です。これを見るとわかるように、身体の疾病よりも、心理社会的・行動的アウトカムのほうが総じて調整オッズ比が高めとなっていることがわかります。とくに自殺未遂の値が7・3というのは目を引く高さです。
表1-2 ACE スコアが「0」の人と比べた場合の「4 以上」の人が抱えやすい疾患・問題(調整オッズ比)
https://bunshun.jp/articles/-/65186?page=4 (コチラサイトから引用です)
ACEは自殺未遂に大きく影響を与える要因ですが、これだけ心身の疾患や健康リスク行動に関連するのですから、最終的に寿命そのものにも影響します。
フェリッティとアンダたちは、初のACE調査の対象者(1万7337人)を2006年末まで追跡する調査を行いました。その結果、ACEスコアが「6以上」の人は、ACEが「0」の人よりも、平均で約20年早く死亡するという知見が報告されています。。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
三浦綾子著『塩狩峠』は、明治末年の北海道で、暴走した客車から乗客を救うため自らを犠牲にした鉄道職員・長野政雄の実話を描いた長編小説です
塩狩峠 三浦綾子著『塩狩峠』は、 明治末年の北海道で、暴走した客車から乗客を救うため自らを犠牲にした 鉄道職員・長野政雄の実話を描いた長編小説 です。信仰と愛に生き、若くして命をかけた主人公・永野信夫の生涯を通じて、 真の「一粒の麦」となる生き方を問いかける感動的な物語です...
-
本の紹介 雄鶏の家 ヴィクチリアべリム著 山川純子訳 Copilot が送信しました: 『雄鶏の家』は、ヴィクトリア・ベリム著、山川純子訳の回想録です。この本は、ウクライナの家族の歴史と伝統工芸を織り交ぜた珠玉のメモワールです。 あらすじ 著者は、ロシア人の父とウクライナ人の...
-
mainichi.jp クックパッドニュース:医師が考案したラクやせ食事術!「お皿変えるだけダイエット」とは? | 毎日新聞<!-- Global site tag (gtag.js) - Google Analytics --> <script asyn...
-
読書案内『宗教と不条理 信仰心はなぜ暴走するのか』佐藤優、本村凌二著 書籍の概要 本書は、イスラム研究者である佐藤優氏と宗教学者である本村凌二氏による共著であり、現代社会における宗教と不条理の関係について論じた書籍です。 グローバル化や情報化社会の進展により、人々の価値観や世...
0 件のコメント:
コメントを投稿