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2026年2月27日金曜日

📘【書評】又吉直樹『生きとるわ』感想|悪友との縁が揺さぶる価値観と人生の実感

 又吉直樹



『生きとるわ』


🗓 2026年2月28日


控えめな関西弁の語尾がにじむ、「僕」という一人称で語られる小説だ✍️
語り口は穏やかでありながら、文章はどこか精緻で、読み進めるうちに古典小説に向き

合っているような感覚を覚える。

ところが途中で、映画🎬『青春の殺人者』といった固有名詞が現れる。
その瞬間、評者(57歳)は気づく。これは、自分も確かに「生きていた」時代の物語

なのだと。舞台は、阪神タイガースが優勝した年の大阪⚾

街の空気には酒の匂いが充満し、湿度のある記憶が立ち上ってくる🍶

語り手「僕」の名は岡田善人。
職業は公認会計士。堅実な肩書とは裏腹に、妻との関係性はどこか冷え、人生は静かに

澱んでいる。

そんな日常に、かつての悪友との縁が差し込むことで、
「まともに生きてきたはずの人生」が、じわじわと揺さぶられていく――。

本作『生きとるわ』は、
✨成功でも挫折でもない
✨派手な事件でもない

それでも確かに存在する
**「生きとる実感」**を、読者の足元から問い直す一冊だ。

🎭 芸人であり、芥川賞作家でもある 又吉直樹 ならではの、
笑いと寂しさが同居する人生描写が、静かに胸に残る。

📚 年齢を重ねた読者ほど、
そして「無事に生きてきた」と思っている人ほど、
価値観をそっと揺さぶられるだろう。

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